新婚旅行物語 第四章 バルセロナ編3
新婚旅行物語 第四章 バルセロナ編3 「主任建築家外尾氏との出会い」
それはとある一本のテレビ番組から始まった。タイトルは不明、出演者は世界の北野武、所ジョージ。武が行ってみたいところに出かけていくという趣の番組だった。
色々な所に出かけていく北野武、その番組の中で最後に出かけていったのはバルセロナの街。
北野武はそこで、外尾悦郎なる人と出会う。
この人こそ、かのガウディのサグラダファミリア聖堂の主任彫刻家、数年前のネスカフェのCMに出ていたので記憶にも新しい。
彼は元は日本の美術の先生で、たまたまバルセロナを旅行中、サグラダファミリアに出会った。彼はガウディが創造した建築に感銘を受けた。
彼はそのときにいた建築家に言った。
- 外尾
- 「俺は結構できるヤツだから彫刻やらせてよん」
- 建築家
- 「あ?テメー日本人だろ?ふざけんなよ」
- 外尾
- 「そんなことを言わずに、彫らせろっつーの。」
- 建築家
- 「ちっ・・・じゃ、今からテストしてやろう。。どうせだめだろうな。。」
建築家も外尾氏はこんなことは言わなかったかも知れない。でもこれに近い雰囲気があったように思う。
外尾氏は彫刻を彫った。自分の全てをさらけ出す作品を。その出来は素晴らしい作品だったらしい。
- 建築家
- 「明日から来てくれ。」
- つうか早いよ。コンビニのバイトじゃないんだから。
その外尾氏ももうバルセロナで生活して20年以上。今やサグラダファミリア聖堂の主任彫刻家。世界で活躍する日本人は多いけれども、彼はそのトップに君臨するのではないだろうか?
番組で武は言う。
「何が凄いって、宗教的な壮大な建築物に日本人が棟梁として携わるってことは金閣寺を外国人が建ててるようなもんだからな。」
いやマジでそのとおり。もし、奈良の大仏を外国人が作ってたら、偏見の塊の日本人はきっと言うだろう。
「オマエ分かって作ってんのかよ!」と。
番組で、外尾さんのエピソードは続く。バルセロナでの収録の後、外尾さんはタケシと飲みに行ったそうな。
「外尾さんは言うんだよ。朝起きて、一日一生懸命彫刻して、夜になったら家に帰ってワインを飲んで飯を食ってさ、そして寝て、朝起きてまた仕事に出かける。それが幸せだなあって思うわけよってね。完成するのが目的じゃなくてそこで働けるってのが幸せだと。いい話だと思わない?」
マジ感動です。
そこまで思わせるサグラダファミリア、いやガウディを体験したい。その一心でバルセロナに、サグラダファミリアにのぞんだ僕らだった。
サグラダファミリアの凄さはビデオの数百倍だった。
圧巻だった。文章力のつたない僕の表現力では表すことができない。
とにかく、彫刻のひとつひとつ、建物のひとつひとつに威圧されているような、そんな気分にさせられた。これが完成されるのは100年後だそうだ。
世界中からの寄付のみで成り立っているこの建築は、もっと工期を短縮できないものなのだろうか?完成を見ることができないのがとても残念だ。
TVなどでみるサグラダファミリアは外側だけ。内側は観光客でごったがえしているものの、全く手付かずの状態。毎日毎日少しずつ前進しているのだろうな。
どれだけ見ても少しも飽きない。色んな角度から見ると全く違うものに見えたりもする。僕らは塔のてっぺんまで上ったり、ガウディのお墓を見たり、作業場を見たりして堪能した。
すると作業場の方を見ていた僕はひげ面の東洋人のオヤジが目に入った。
- ayu
- 「あれは・・・外尾さんでは?・・・」
- K
- 「ホント?あれそうなの?」
- ayu
- 「いや間違いない。あれは外尾さんだ。結構小さいヒトなんだね。写真撮っとこ。」
帰ったら自慢してやろうと、写真に収める僕。かなり満足げだ。
- K
- 「ホントかなー。」
- ayu
- 「俺の目に狂いは無い。」
僕らは感動のサグラダファミリアを後にしようとした。
・・とそのときピンクのポロシャツを着た大男が僕の前に立ちはだかった。
ayu「そ、そと・・・」
紛れも無い、TVでみた外尾さんがいた。今まさに敷地の外にでかけていくようだ。子分をつれて。
K「さっきのは全然ちがうじゃねぇか。」
ayu「今はそんなことを言い合っているヒマはない!」
リアル外尾さんはどんどん行ってしまう。
K「写真撮ってもらおうよ。」
ayu「まかしておけ」
・
・
・
K「はやくしてよー。(小声)」
ayu「あ、いや・・ちょっと・・・」
K「あ、もしかしてびびってんの?(笑」
きみはひとごとだね。
K「びびっております。あははははー」
Kはのんきに小心者の僕をビデオ撮影している。くそー。
ayu「あの、す、すみません。そ、外尾さんですか?」
僕は恐る恐る声をかけてみた。
外尾「あぁ、そうだけど。」
ayu「コ、コンニチハ。シャシンヲトッテイタダキタイノデスガ。」
ガチガチ、である。なにせ相手は世界の外尾だ。
外尾「ああ、いいですよ。どっちをバックに?」
ayu「あ、じゃああれを。。。」
外尾「あれは僕の建築じゃないからあっちにしよう。はっはっは(笑」
いかーん。なんて失礼なコトを。
外尾さんは僕らみたいなミーハー野郎でも笑顔で写真撮影に応じてくれた。
外尾「良い旅を!」
そういって握手してくれた外尾さんの手は死ぬほど大きくてぶ厚くて、さすが偉業を今まさに行っているカンジがして、なんか感動してしまった。
二人「頑張ってください!」
僕らは呆然と立ち尽くしてしまった。
凄いヒトと会ったときには何かオーラのようなものを感じるという。
まさに外尾さんにはバリッバリのオーラが漂っていた。ピンクのポロシャツもかっこよく見えた。。。。
次なる目標はこれまたガウディの建物「カサ・ミラ」だ。マンション型の建物。ガイドブックにも必ず載っているオシャレ建築物だ。
サグラダファミリアから歩いていくことに。バルセロナの街は歩くだけでも楽しい。時折、ガウディが作ったらしいベンチや街灯がとってもおしゃれだ。
「カサ・ミラ」も近づいてきたころ、ふとショウウィンドウに目をやった。キッチン用品がきれいに並べられ、食卓をつくってあった。 あまりのオシャレさにはいってみた。
二人は雑貨屋さんが大好きである。ここは後でわかったのだが
VINCON という店で、大好きなコンランショップと東急ハンズを足して2で割ったようなナイスショップだった。
K「このお皿かわいいー。買っていい?」
ayu「日本で買いなさい」
K「このミキサーは?前からほしかったんだ。もう買うね。」
ayu「いやだから日本で買いなさい」
ayu「あ、この照明かわいいね。ウチに置いたらいい間接照明になりそ。もう買う。」
K「いらねーよ!」
カサ・ミラそっちのけで、ショッピングにいそしむ二人。これも海外旅行の醍醐味か?(笑
バルセロナへ行った方は是非ここへ立ち寄ってみてください。すんばらしいです。
もちろん、カサ・ミラ最高でした。
ちょうどドーナツ型に吹き抜けがあるマンション。屋上は庭園のようになっており、ガウディデザインの煙突(これまたカワイイ)がいたるところから突出しており、なにかおとぎの国に来てしまったよう。
カサミラの部屋の中も公開されており、これまた何十年も前の建物とは思えない素晴らしいツクリ。決して広くはないが、広く見えてしまうのはガウディ・マジックか。
とにかく初日からこんなに飛ばしていいのかというくらい充実した一日だった。二日目は残りのガウディ建築を堪能すべく。明日にそなえるふたりだった。。
【新婚旅行物語もくじ】
■ 第一章 日本編■ 第二章 バルセロナ編1
■ 第三章 バルセロナ編2
■ 第四章 バルセロナ編3
■ 第五章 バルセロナ編4
■ 第六章 イビサ編1
■ 第七章 イビサ編2
■ 第八章 ローマ編1
■ 第九章 シチリア編1
■ 第十章 シチリア編2
■ 最終章 ローマ編2
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