新婚旅行物語 第五章 バルセロナ編4
新婚旅行物語 第五章 バルセロナ編4 「ガウディの偉大なるデザイン」
ガウディの興奮も冷めやらぬまま夕食へ。やっぱりスペインと言えば「パエリア」だ。 スポンサードリンクどこの店が美味しいのか、もちろん分かるはずも無く、僕らは適当にお客さんの多そうな店に入ることに。事前にレストランなど僕らが調べるはずもなく、常に行き当 たりばったりだった。バルセロナではたいていのカフェやレストランは表にテーブルを出しているのでメニューを事前に見ることができて便利だ。ただ、
メニューを見てもなんの料理かさっぱりわからん。
大体のメニューはカテゴリ分けされていることに気づいた後は、なんとなく「魚」とか「肉」とかはわかるのだが、値段を見て適当に注文するしかなく、非常に悔しい思いをした。
どうしてもシーフードパエリアが食べたい僕は食い入るようにメニューを眺めていた。
ayu「これかなぁ?いや、これかなぁ?・・・・」
K子「ハヤクー」
ayu「ちょっと待ってよ。今探してるんだから。」
K子「もしかして優柔不断がでましたか?」
ayu「あ、見つかったこれだろ。で、何にしたの?」
K子「ワタシおなか一杯だから水だけでいいー」
キミはまたおかしの食べすぎですか?
ayu「あ、そう。じゃ俺のシーフードパエリアをちょっとわけてあげよう」
K子「いらない」
神様、ナゼボクラハイツモアワナイノデスカ?
ポケット辞書を片手に「イカ」「アサリ」というコトバをみつけ、何とかシーフードパエリアとビール(セルベッツァと発音)を注文する僕。K子はミネラルウォーター(ガス抜き)を注文。こっちの水はガス入りというそれはそれはマズイ炭酸入りミネラルウォーターが好んで飲まれているようだ。ヨーロッパよくわからん。
まず生ビールが運ばれてきた。でかい。日本の生ビールの1.5はあろうかという大きさ。それで3ユーロとは安い。ミネラルウォーターは1ユーロ以下だ。こっちのレストランは飲み物が安い。ビールをぐいぐい飲む。
うまいがやはりアサヒのスーパードライは世界一うまいビールであることを実感する。
しばらくして、パエリア登場。
得意げに店のオヤジがもってきたパエリアは妙に赤かった。
それってトマトソースなんじゃないですか?
ayu「これってシーフード?」
K子「違うね。」
びびっている僕はそのままやり過ごそうとしたが、これではNOと言えない日本
人になってしまう。
僕は辞書を片手に料理が違うことを身振りを交えて伝えた。
オヤジ「OK。△○××▲*※#$$」
意外とあっさり引取ってくれ、どうやらすぐ作り直してくれるようだ。
異常にのどが渇きビールを飲む。
ayu「一仕事終えた後のビールは格別だね」
K子「目が泳いでたよ。プッ。」
ayu「・・・・・」
出てきたシーフードパエリアは格別の味だった。
大満足の夕食も無事終わり、バルセロナの夜はふけていく。僕らはホテルに戻った。
シャワーを浴びて部屋に戻るとK子がいない。
ayu「あれ?どこにいったかな?」
なにやらベランダの方からゴソゴソと音がする。僕はベランダへの窓を開けてみた。ベランダのテーブルに腰掛けてポテチを食らうK子が。
ayu「だからあのときちゃんと食っとけって言ったのに・・・」
K子「プリングルスオイシー!」
明日は早起きして残りの観光をしなくてはならない。半日観光で少しだけ行った「グエル公園」、ガウディのマンション「カサ・バトリョ」等を回る予定だ。ガイドブックを見て明日の予定を立てる。
明日の用意をする。早起きは苦手だから早く寝ないと。
しかし、この旅は新婚旅行である。
となりにいるのは嫁さんである。大人の時間を過ごすのが世の常というもの。夫婦の時間はこれからだ。
僕はK子の方を何気なく振り返った。
もう寝たのかよ!
僕は眠れない夜を過ごした。ブックオフで100円で買った村上春樹の小説「ねじまき鳥クロニクル」を3冊持ってきていたのでそれを読んで過ごすことにした。
なんかシュールな小説だ。
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次の日。今日もいい天気だ。朝から地下鉄に乗ってガウディの作った公園「グエル公園」に着いた。地下鉄は安くていい。ちょっとまだ怖いけど。
グエル公園の門の前に立つと、お菓子の家のような建物がふたつ。かわいい。 これはもしやガウディの家なのでは?
となりで日本人ガイドの声が聞こえる。ガイドのいない僕らは聞き耳をたててみることにした。
ガイド「えーと、この2つの建物は使用人の家ですー・・・・」
これが使用人の家かよ!
凄すぎる。奥に鍾乳洞風の空間があった。そこには元はなにかがあったのだろうか?
ガイド「えーとあれはー、馬車の駐車場です。」
駐車場かよ!しかも馬かよ!
とにかくグエル公園。遊び心満載の、理にかなったデザイン満載の素晴らしい公園だった。いたるところが廃材で出来ており、割れたお茶碗等で出来たタイル模様のデザインがところどころにあり、僕は黒板五郎(@北の国から)を思い出さずにはいられなかった。
ayu「おいら・・金ねえからゴミ漁って家建てたのさぁ(田中邦衛ものまね)」
K「とうさんみっともないからヤメテ!サムイよ!(蛍のものまね)」
ayu「寒いかぁい。寒いなら、おいら。。暖めてあげるよ。。」←近づく
K「ヤメロ」
ayu「失礼しました・・・」
また来てよかった。公園の象徴のトカゲちゃんにも会えたし、ギリシャ風の柱が立った広場はギターの演奏が行われており、その独特な建築方法のせいか、ものすごく音の響きが良かったし、メイン広場である微妙に波打ったベンチがある広場は排水も考えられており、下にあるトカゲちゃんの口に雨水が排水されるといった仕組みなど、とても何十年も前にデザインされたものとは思えなかった。色あせないデザインとはこういうもののことを言うんだろうなと、二人で納得。
それは次の「カサ・バトリョ」にも顕著だった。
海をイメージした外観(全然海に見えないけど)もさることながら、このマンション、階段から窓枠、洗面所、扉にいたるまで全て素晴らしいデザインだった。
こんな家に住みたいとマジで思った。写真撮影が禁止な為、写真に残せなかったのが非常に残念だったけど、その強烈なガウディのデザインはそれを見るためにもう一度バルセロナの地を踏むといってもおかしくない程の素晴らしさだった。
バルセロナはマジでオススメの土地だと思う。2泊もあれば大体回れるのでヨーロッパへ行くヒトがいれば、是非立ち寄ることをオススメする。
雑貨屋さんも、洋服屋さんもかわいいお店が沢山だった。特にVINCON(なんでも創業1941年の由緒正しいお店らしい。)、日本にもああいうお店があったらなぁ。福岡には少なくともないなぁ。
その日の夕方、後ろ髪をひかれる想いをしながら次の街、イビサに向うことに。
バルセロナ空港から飛行機で40分程の小島であるイビサ。一体どんな街なのであろうか?
とりあえず、目的は「cafe del mar」。世界一有名なカフェで夕日を眺めながら音楽を聴きながら酒を飲みたい。
僕らは期待を胸に飛行機へと乗り込んだ。
しかし、この後、とんでもない衝撃が彼らを襲うとはーーー!
(ガチンコ風)
【新婚旅行物語もくじ】
■ 第一章 日本編■ 第二章 バルセロナ編1
■ 第三章 バルセロナ編2
■ 第四章 バルセロナ編3
■ 第五章 バルセロナ編4
■ 第六章 イビサ編1
■ 第七章 イビサ編2
■ 第八章 ローマ編1
■ 第九章 シチリア編1
■ 第十章 シチリア編2
■ 最終章 ローマ編2 スポンサードリンク
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