新婚旅行物語 第六章 イビサ編1
新婚旅行物語 第六章 イビサ編1 「カフェデルマーは何処?」
イビサに着いた事を書く前に少しイビサについて書いておかなくてはなるまい。 スポンサードリンクこの島の歴史は1600年頃に遡る。ローマ時代からの城壁都市の名残がいまだ残っているイビサは当時は交易で栄え、アフリカとヨーロッパを結ぶ密輸の中継地として有名だったという。その頃の城壁は今でもイビサタウンにシンボルとして残っており、その城下町にはその頃の建物に人々が住みつづけている。
もう一つ、現在のイビサを語るのに欠かせない、歴史がある。60年代に「ヒッピーの島」として世界的に有名になった歴史だ。
ヨーロッパ中から自由を求めて若者たちが集まり、彼らは独自の文化を作り、島は発展を遂げた。ヒッピーの定義は今一よくわからないのだが、その当時の新しいムーブメントであり、新しい文化をもたらした人種であることはいろんなサブカルチャーの影響からもおのずとわかるというものだ。
世界各国からヒトが集まったおかげで多くの文化が入り混じって、その融合から新しいサブカルチャーが生まれた。
以上の二つの歴史から、イビサは新旧入り混じった、独特の雰囲気をかもし出している。街中にはブティックやクラブが立並び、郊外に出ると、ギリシャ風の別荘地が並び、古い城壁の街も同居する不思議な街だ。
第一章でも触れたとおり、僕は何の知識もなく、「cafe del mar」という素晴らしいカフェが存在するらしい、という情報のみでプランニングツアーのK野さん(大名に新オフィス移転決定!しかし年齢不詳)に
イビサに行きたいしー☆
と子ギャルよろしくだだをこねただけだった。
イビサ到着は午後2時頃。バルセロナ空港からほんの40分くらい。
僕はやるせない気持ちで飛行機を降り立った。
なぜなら!それは旅行の数週間前に遡るのだ。
-------数週間前----------------
ayu「あー、イビサ楽しみだなー」←遠くを見つめている。
K子「あ、そうそう。ネットで調べたんだけど、イビサ島は9月末でシーズンオフになるらしいよ。」
ayu「はーん。そうやって俺のやる気を無くそうと言う魂胆だな?その手には乗らんぞ!俺は疑い深いんだ。」
K子「だってー。見たもん。海外サイトだったからよく分からなかったけど、確かにOFFだってさ。あはは(笑」
ayu「何言ってんだ。俺がどれだけ楽しみにしてたか・・・・」←googleにて検索中
そこには無常にもOFFの文字が・・・
ayu「お、おふーーーー?!」
K子「だから言ったでしょ?オフだって(笑」
ayu「てめえなに笑ってんだよ。俺はな、俺はなー!・・・」
あとで聞いた話だが、イビサは9月末でシーズンオフに突入する。世界中からヒトが集まるイビサもシーズンオフには島を離れるひともいるらしい。知らんかった。
という訳であの夕日の中の最高なシーンは味わえない悲しさから、ちょっと微妙な気持ちでイビサに降り立った僕ら。せめてシーズンオフとはいえ、ちょっとだけでも、雰囲気だけでも、せめて味わおうという気持ちを内に秘め、ホテルにチェックインした。ホテルはこの旅最低ランクの一つ星。ホテルマンは気さくなお兄さんだ。かなりカンジがいい。
チェックインを済ませ、スーツケースを持ってエレベータに乗ろうとする。
エレベータはさすがに一つ星、かなりお歳を召してらっしゃる。
ayu「このエレベータ、古いねぇ」
K子「途中で止まったりして」
ayu「何をバカなこと・・・」
ガタン
僕らの言葉を聞いているのかいないのか、エレベータは今にも落ちそうな勢いで停止し、照明が消えた。
二人「た、たすけてくださいー!!」←めっちゃ日本語
数分後(かなり怖かった)のんびりとホテルマンが道具を使って助けてくれた。
ホテルマン「・・・(ニヤリ)」
何か言えっつーの
ホテルがあるイビサタウンはイビサの中心部だ。空港で感じた田舎な雰囲気とは違い、シーズンオフとはいえ、なかなか人通りも多く、だんだん楽しい気持ちになってきた。日本でいうと、沖縄のような雰囲気を感じたのは僕だけだろうか?海もすぐ近くだし、観光地独特ののんびりしたカンジがとても気持ちよかった。
まず、僕らはホテルの隣にある観光案内所に行ってみる事にした。
ayu「ま、マップ、プリーズ」
ここは何度も言うがスペイン国だ。僕はカタコトの、単語だけ、しかも英単語のみでしか話せないのは何とも無能な失礼な日本人だった。
お姉さん「▲×○○$%%!」
お姉さんはしっかりとイビサ島の観光地図を分けてくれた。よかった。僕は次にココに来た最大の目的を彼女に尋ねた。
ayu「イズ・カフェデルマ・オープン?」
お姉さん「・・・・・(笑顔)」
ayu「イズ・カフェデルマー・オープン?」
お姉さん「=*○$▲×○%%!」
ayu「あ?」
K子「開いてるってさ・・」
ayu「分かったの。今の?」
K子「なんとなくね。」
ayu「俺全然わからんかった・・・・・・」
cafe del marは開いている!
その後お姉さんにバスの乗り場をなんとか聞いてバスに乗ってみることに。
サン・アントニという街にあるのは事前に調査済だった。四苦八苦しながらバスのチケットを購入。やっとサンアントニに着いたのはもう日も暮れそうな時間帯だった。
お姉さんからもらった観光地図を片手にcafe del marを目指す。バス停からそんなに遠くはないはず。あせる僕。サンセットには間に合いたい。
ayu「あった!」
海辺にぼんやりと明かりが着いたカフェがやっと表れたときは、なんとか日も暮れる前だった。
お客さんは結構いて、僕らは一番海に近い席に座り飲み物をオーダーした。
残念ながら、シーズンオフだからだろうか、DJはいなかったが、CDかなんかで結構大きな音でチルアウト系の音楽が流れている。音量はヴァイナルカフェくらいか。
波の音がぼんやりと聞こえ、テーブルの対面に座った相手の声も聞こえるくらいの気持ちのいい音量。乾杯をした僕らは何も喋らず、ただ音楽に耳を傾けながら海を見ていた。
ayu「き、キモチいい。。」
いつしかビールは3本目に突入。丁度その頃日も沈み、音楽は佳境に向かう。DJがいなくても音の演出は素晴らしかった。
是非シーズン中に行きたいと思った。日が沈み、辺りが暗くなった頃、炎のパフォーマンスがあり、盛り上がりも最高潮。
夕食は何も食べてないにもかかわらず、満腹感でいっぱいで僕らはcafe del marをあとにした。
ホテルに着く頃には疲労感からか、あまり食欲がなかった僕らは、日本から持ってきていた日本が誇る最高にして最強のの食品「焼きそばUFO」を食べようと、お湯をフロントでもらい、もどかしい3分を待っていた。これは海外旅行経験の豊富な友人Oから聞いて持ってきていた。疲れたときには食べ慣れたもの。これに限る。
3分待つ間、僕は今日の新婚旅行らしいロマンチックな出来事に満足していた。それでいてUFOとは味気ないが、夜はこれからだ。そうだ、たった今思い出した。僕らは新婚だったのだ!
ayu「今日は楽しかったね。cafe del mar開いてて良かったよ。もう最高の気分だった。後で下のバーにもう一杯飲みに行きたいきぶん・・・」
ってもう寝たのかよ!
のびのびになった焼きそばUFOは誰にも食べられることなく夜を明かしたのであった。
【新婚旅行物語もくじ】
■ 第一章 日本編
■ 第二章 バルセロナ編1
■ 第三章 バルセロナ編2
■ 第四章 バルセロナ編3
■ 第五章 バルセロナ編4
■ 第六章 イビサ編1
■ 第七章 イビサ編2
■ 第八章 ローマ編1
■ 第九章 シチリア編1
■ 第十章 シチリア編2
■ 最終章 ローマ編2
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Cafe' del Mear 良いですよねぇ
俺は音楽とか無頓着で、ただただ当時付き合ってた彼女についてイビサに行ったんだけど…
しかも5月…シーズンオフも終わろうという時期だったねぇ 観光客が居ない時期でオイラには最高の地だったけどぉ
あの雰囲気は忘れられませんねぇ
彼女は今何してんのかなぁ なんて思い出しちゃいました。
お幸せにぃ~ってかんじかなぁ
そうそうオイラはUFOじゃなくて赤い狐もってった
コメントありがとうございます。
イビサは元彼女との良い思い出の場所だったんでしょうか。
僕らも後々になって考えたら、観光客があまりいない状態はとてもよかったような気がしてます。
今でもイビサの写真を眺めてはため息をついてますね。
赤い狐。みんな一緒なんすね。(笑
Posted by: ayu at 2003年11月02日 09:36はてなアンテナに追加