こんな恋愛はイヤだ - 付き合い始め編
僕はその夜、仕事が終わり、バスに乗って帰宅中だった。自宅まで30分。本を読んだり、音楽を聴いたり、至福の時間を過ごす。この30分は結構大事な時間だ。
その日はちょっとした飲み会があり、案の定飲みすぎて、最終のバスに辛うじて滑り込んだ。これを逃すと、タクシーしかない。タクシー代というムダ使いをするとなると、
嫁K子の鬼のような形相が目に浮かぶ
ので最終を逃す事は厳禁だ。
ほっと胸をなでおろし、読みかけの小説「迷宮百年の睡魔」を読む。あと残り数10ページだ。物語も佳境に差し掛かり、面白くなってきた。
ところで、僕は集中力がない。静かなバスで誰かが携帯でハナシをしようものなら、本などそっちのけで、その人が携帯で話している内容に聞き耳を立ててしまう。
その日は最終だった事もあり、酔っ払いの宝庫であった。僕が座った席のすぐ後ろのカップルがとても大きな声で話している。
では、聞き耳を立ててみるとしますか。(アヴァンティ風)
- 男
- 「あー。酔った。」
- 女
- 「タカシ君飲み過ぎだよー」
- タカシ
- 「うん。飲みすぎた。ところでサキちゃんサキちゃん。次いつ会えるの?」
- サキ
- 「土曜日までバイト休みじゃないから土曜日かな」
- (ちなみにその日は水曜日である)
- タカシ
- 「えー。土曜日!?そんなに待てねえよー」
- サキ
- 「明日とか明後日は忙しいから休めないのよ。ごめんね」
タカシ君よ・・・
土曜日って3日後じゃねえかよ(怒
と心の中で叫んでみる。会話は続く。
- タカシ
- 「サキちゃんサキちゃん」
- サキ
- 「・・・・」
- タカシ
- 「サキちゃんってばあ。え?何?今何考えてんの?」
- サキ
- 「・・・ん?あ・・・土曜日までにどうやったら会えるかな、と思って」
サキちゃんよ・・・
それウソでしょ?
- タカシ
- 「サキちゃんと会えないって困るなあ。明日は?ねえ明日は?」
- サキ
- 「ダメだよお。明日は店長がいるから休めないよお」
- タカシ
- 「マジ?ねね、じゃあ明後日は?明後日!」
- サキ
- 「うーん。ムリ・・・かなあ・・」
タカシテメエウゼエ(怒
しかも
声でけえよ(怒
公共の交通機関にて大騒ぎする輩は嫌いなんです。
しつこく会いたいアピールをするタカシ。のらりくらりと逃げるサキ。二人はどうやら付き合って間もないか、まだ付き合っていないかのどちらかのようだった。半ばあきらめるタカシ。恐らくタカシの脳内は
趣味=サキちゃん
であることは間違いないかと。
もうつまんないので本を読もうとしていた時、二人がどこでバスを降りるかで揉めていた。家の近くでちゃんと降りなさい。
サキは終点、タカシはその二つ手前に家があるようだ。
- タカシ
- 「サキちゃんサキちゃん、○○でおりなよ」
- サキ
- 「えー。ワタシ××まで行くよお」
タカシくん、
毎回名前を二度連呼するのはやめにしないか(怒
- タカシ
- 「だってさあ、××で降りたら夜道は危ないよ」
- サキ
- 「・・・大丈夫だって。ワタシ毎日帰ってるし」
- タカシ
- 「ダメだよ!木村先輩がバス停で張ってるかも」
- サキ
- 「えー?マジで?木村先輩コワイー」
- タカシ
- 「だろ?○○で降りた方がいいって。
タカシくんそりゃちょっと強引ですよ(泣
出会ってしまったらマズイ木村先輩ってどんなヒトなんだろうか・・・そっちの方が気になる・・・
そして、二人はあーだこーだ言いながら○○停留所で降りて夜の闇に消えていった・・・
サキちゃんは明らかにウザがっていたが、タカシの強引さに半ば諦めぎみに降りたカンジだった。この二人うまくいくのでしょうか?
こんな恋愛してる人いませんか?結構僕の周りにもこんなハナシ良く聞きますね、空気が読めない人の事。
そんなアナタに一言物申したい。
アナタの大好きなヒトが一番嫌がっていますよ(泣
【そのとき読んでた本】
美しいオハナシでした。森作品を読んでない方も安心して読めます。
森作品読んだことない方はこのエントリを読んでみるとよいかもです。
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タカシ君とサキちゃん=三原じゅんこ とコアラ
に見えてしょうがない。
タカシ君・・・
そんなに、することが無くて、暇ならば、
私に言いなよ。
私なら、いつでも会えるよ。
しかし、タカシ君の方こそ、ちゃんと、一週間に10日来る 覚悟で・・・
空気 読めない人、いますよ。
いままで、誰も、何も言ってくれなかたのか??
と 問いたいくらいの人。
私はキレながら相手してますよ。
最近、恋してないな~。
ある意味、うらやましいかも!!
Posted by: 叶 美香 at 2004年07月02日 11:43>【そのとき読んでた本】
実はこっちが本題ではないかと邪推してみる、てすつ(帰れ貴様
サキちゃん・・・、お疲れ!
木村先輩より、タカシ君の方が怖いぞ!
サキちゃん、無事に自宅に帰れたのだろうか。
ってかいるんですねぇ、こんなにまでイタい男が。
Posted by: ひぐま経次郎 at 2004年07月02日 18:17森さんのハードカバーですかねー。
読んでないのでこんど読んでみよっと。
(森さんの本はほとんど読んでいます)
あの人は真に天才だと思える人ですが、惜しむらくは人に簡単に薦められないことでしょうかw
あの2シリーズが交差した瞬間の激しい感動は忘れられません...つーか全然気づいてなかったの俺だけ?w
通勤途中の電車の中で、よく学生さんと一緒になります。
男子学生さんは比較的静かなほうなんですが、女子のみなさんは・・・
まず間違いなく高校生だと思いますが、驚くほどうるさいです。
しかも言葉遣いが悪いんですよ、非常に。
あーくそウルセェなぁ~!って思う反面、ちょっと悲しくなったりもします。
公共の乗り物でうるさいのは学生さんだけではありません。
僕が一番嫌いなのはほろ酔い加減のサラリーマン(年配の方が多い)がノリノリで熱い(暑い)トークをされている事ですね。
一番常識がないのはヤツらだったりしますね。
森氏の小説はnniさんが言われているとおり、人になかなか勧められない所が難点です。
読む順番もあるし、専門用語が飛び交うのでわりと敷居が高いです。でもその専門用語関係の話題は本筋とはあまり関係ないのでなんとなく読んでいても話はわかります。オススメです。
こんな恋愛はイヤだ。また書きます。
Posted by: 管理人ayu at 2004年07月04日 23:45ある意味私、これの逆バージョンです。
私最近女の子に告白されまして、前向きに考えるということで
OKしました。が、それ以来「いつ会えるの?」「こんなにも会えないの今までない、つらい…」「いつになったら私と同じくらい好きになってくれるの?」etc…
えー今ちなみにつき合い始めて3週間です…
はぁぁ…
そんなこと言われる度に私の心は離れていくばかりですよー
>nさん
いやあ、それは大変ですなあ。
先が思いやられますね、って僕が偉そうには言えませんが(笑
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