時は201X年------
そこは今や犯罪の巣窟となってしまったシヴヤ。以前の若者の街というイメージはとうの昔に消え、新宿と並ぶ暗黒街として恐れられている。
ここでは、純粋な日本人は少なく、国籍不明の人々が巣食い、言語も文化も独自のものが発達しているという。
我々は危険すぎるという理由から通常入ることができないとされている、特A地区に潜入することができた。
そこは快楽と欲望の渦巻く街シヴヤ。我々はその街に溶け込むべく、現地の服装を着込んだ。
現地の案内役の通称「ジェイ」も我々を案内したことを後悔しているようだ。
「ハヤクカエリタイー」
彼の日本語はシヴヤに汚染されているようだ。
突然、耳をつんざく音が聞こえてきた。鉄を引っかく音とも、動物の鳴き声ともつかぬ、耳を覆いたくなるような音。シヴヤには獰猛な生き物が生息しているというウワサはホントだったのか。
だんだん音が大きくなる。その音がヒトらしきものの話す声だとわかったのは、それが随分近づいてからだった。
人ごみに紛れてその姿は見えない。
恐怖のあまりジェイが逆方向に逃げ出した。
「サヨナラー」
これだから最近の若者は・・・愚痴をこぼしそうになった瞬間
突然目の前が真っ暗になった。
でかい。私は恐怖のあまりそこを動くことが出来なかった。
ソレは3ついるようだった。
「は、速い。」
どうやら、我々は囲まれたようだ。ヤツらは我々を翻弄するかのように、右へ左へと我々を威嚇する。
飛び交う奇声、怒号、私はカバンの中に潜ませた隠しカメラのシャッターを切りつづけた。
奴等の攻撃が始まった。チームの中でも年長の私がどうやら奴等のターゲットのようだった。怒涛の攻撃で倒れた仲間たちには目もくれず、私のほうににじり寄ってくる。
「ひぃぃぃぃー!」
薄れていく記憶の中、私は恐怖とは裏腹に懐かしい想いにかられていた。この気持ちは何だろう。スレッガー中尉?いや、マチルダさん?
しばしの郷愁にも似た思考の後、黒い3連星のジェットストリームアタック・・・・・懐かしのファーストガンダムに出てくるドムがフラッシュバックする。
・・・・気が付いたら病院の中だった。我々は身ぐるみをはがされ、金目のものを一切奪われていた。
幸運にも隠しカメラは壊されていたが、一枚だけ犯人を収めた写真が生き残っていた。
後で逃げ出したジェイを捕まえて聞いたのだが、ヤツラは、
黒い3年生
と呼ばれているらしい。
その写真を公開したいと思う。
この写真は保存などをせず、見たら即ログを削除することをオススメする。
さもないと、黒い3年生があなたを狙うかもしれない、いや、もう既に狙われているかも・・・・