朝が来た。窓を開けて寝た為、波の音が体に響いてくる目覚め。なんとも心地良い。
ここ、ホテル・カポタオルミナなグランブルーの撮影の撮影現場として有名なホテルだが、そのミーハー根性も吹き飛んでしまうくらい素晴らしいホテルだった。
観光メインの大忙しのツアー日程においてまさかこんなにゆったりと流れる時間を堪能できるなど思いもしなかった。
朝食へ向かう。朝食のレストランは外のテラスと直結していた。まだ肌寒かったが、もちろん外に。ヨーロッパにきて外で食事をすることが増えた。なにより気持ちいい。ここの朝食が一番うまかった。コーヒーも。
朝食を食べながら今日の打ち合わせ。
ayu「今日はパレルモの方にバスで出かけて遺跡めぐりだね。」
K子「うーん・・・そうだね。」
ayu「そんで、向こうで夕食まで食べよう」
K子「うん・・・・」
ayu「どうかしたの?」
K子「いやなんでもない・・・」
あきらかに何か違うことを考えている様子。朝食を食べ終わった僕らは準備のために部屋に戻ることに。
K子「もう一回ビーチ見に行こうよ」
ayu「うん。いいよ」
ビーチをもう一度見に行くことにした。相変わらずののんびりした風景は心が和む。
ayu「もしかして、遺跡止めたくなってきた?」
K「うん。」
ayu「もしかして水着買いに行きたくなった?」
K「うん。」
ayu「もしかして遺跡行く気ないでしょ」
K「いや、そんなことは・・」
遺跡止めて水着を買いに行きました☆
ホテルの水着はバカみたいに高いので少し歩くことに。ホテルのそばの道に大量の車が路駐してあった。メルセデスAclassやsmartのようなクルマはこういう土地柄で生まれたのだろう。ひときわめだつ漢(オトコ)っぷり溢れる縦列駐車のクルマがあった。
脅威の縦列駐車
ふと横を見ると今まさに路駐をしようとしているクルマがいた。クルマ一台分ほどのスペースに止めようとしている。
日本では信じられないことだが、驚くことにそのクルマ(メルセデスのSクラス)は何度も前後のクルマにぶつけながら駐車を完了。
こっそりFRP製のバンパーを見ると、ほとんど傷は残っていない。
だから外車のバンパーはボディ同色じゃないのね。
と納得。
車がガンガン通るがけっぷちの車道を歩く。二人でアルプスの少女ハイジ(なぜ?)の テーマを歌いながら古ぼけた海の家のような所についた。海遊びグッズが所狭しと並べられている。
ゴーグルと二人分の水着を合わせて15ユーロ(約2000円)もちろん日本では恥ずかしくて着れないサムイデザインの水着だ。
僕らはホテルに戻ると一目散にビーチへかけて行った。透き通るように綺麗なビーチは開放感抜群。
場所をプールに移動してパラソルのたもとで寝そべって、持ってきていたウォークマンで音楽鑑賞をしながらビールを飲みながら小説を読む。
ああ、なんてサイコーなんだろう。(涙
これがリゾートなのかと感動した。この楽しみ方は決して間違っていないと思う。K子もご機嫌だ。
プールはもちろんグランブルーに登場したプールだ。
夕方までのんびりした僕らはタオルミナの街に夕食を食べに行くことに。タオルミナの街まではホテルからかなりの距離があるが、シャトルバスが無料で出ている。帰りは夜9時に迎えにきてもらえるようだ。
前日も来たタオルミナの街。夜になって雰囲気はさらに良くなってくる。
部屋で飲む用のワインを酒屋で購入し、いくつかのお土産を買ってレストランを探すことにした。
相変わらず、オープンが遅い。夜8時になってやっとオープンするお店ばかりだった。僕らは慌てて入り注文した。
K子「9時まで間に合うかなあ」
ayu「大丈夫大丈夫」
料理は相変わらず美味しかったが、時間があまりないため焦る。
そのとき20人ほどの団体が来た。夫婦でやっている小さなお店は急激に人口密度が増してパニック状態になった。
食べ終わった僕らは会計をすることに。
ayu「やばいね、おばちゃん忙しそうだね」
しばらく待つが一向におばちゃんはやってこない。
K子「バスに間に合わないよ。」
団体に水を出すのも精一杯のオバチャン。僕らはあきらめて待つことにした。
ayu「く、食い逃げする?」
K子「貴様は外国まで来て恥じ晒すんかい(怒」
日本ではいつ恥をさらしたのかというツッコミはやめておいたが、時間は待ってくれない。やっとの思いで会計をすませ、猛ダッシュでバスの待ち合わせ場所に向かった。
ayu「やっぱりバスいないね☆」
ayu「どうする?」
K子「うーん。あるこうか。」
ayu「あ?」
K子「だってタクシーこわいもん」
ayu「だってかなり遠いよ。」
K子「歌ってれば着くって」
僕らはここまでタクシーを一回も使っていない。それはなぜなら
タクシーが怖い以外の何者でもなかった←歩くほうが怖いっつーの。
説得してもだめなので40分くらいはかかりそうな距離を仕方なく
「アイアイ」を歌いながらホテルまで歩きました。
二人「アーイアイ アーイアイ アーイアイ アーイアイ」
二人「おさーるさーんだよー(泣」
観光バスやら、タクシーやらがビュンビュン通り過ぎる細い真っ暗な道。ホテルに着いたときは
せっかく買ったワインを飲む気力すら残っていませんでした。
さようならシチリア。