知り合いのA君のオハナシ。再掲載です。2年前くらいのハナシでしょうか。
彼は誰にでも好かれる、明るいヒトだった。周りを明るくさせるなかなか他のヒトには真似できない良い面をもっていた。
そんな彼が去年の夏受けた、一本の電話が自分の人生を変えてしまうとは思ってもみなかっただろう。
その電話は福岡の地場で飛ぶ鳥を落とす勢いの企業だという。
いつもは直ぐに電話を切るのだが、彼は暇だったこともあり、セールストークに付き合うことにした。セールスマンはKといい、A君と同じ年だという。
話すうちにA君は一生懸命話すKに親近感を覚えていた。趣味も合うし、恋愛のハナシなどもした。その痴話話も全く気づかないうちに本題に
K「当社は個人向けマネープランを斡旋する企業で、おかげさまで。多くのヒトにご利用いただいております。当社が他社と圧倒的に違うのは商社からの情報でパラジウムで必ず儲けさせる事が出来るところです。Aさんは初めてのお取引ということで、信用をしてもらえる様に、私が必ず儲けさせます。大丈夫です!」
K「私についてきてください。」
ここで懸命な方なら必ず、
うさんくさい。
と思うのだろうが、営業マンKのセールストークが光っていたのか、A君に魔が差したのか、どうしても
直接会って話したい
というKの説得に負けて、会うことになった。偶然(なんかでは決してないのだが)Kは近くにいるという。さして用事もなかったAは近所の喫茶店で会うことに。
A君が喫茶店に入るともうすでに笑顔のKが起立の姿勢で立っており、狭い店内でそれとすぐにわかる。
K「どうも。先ほどは突然のお電話もうしわけありません!」
透き通るような声。A君は「なんて純朴そうなヒトなんだろう」と、事もあろうに思ってしまう。
そう、それはなんと言おうと、単なる
営業トーク
に過ぎないのだが・・・
挨拶が終わると早速セールス突入だ。
K「早速ですが、昨今の不景気、どう思われます?」
A「い、いやどうって・・ボーナスが下がったとか・・・」
K「そうですよね!こんな不景気なら銀行に預けてもたかが知れてます。不景気といえば先日のテロ、ご覧になりました?」
↑早くも攻撃準備完了です。
A「はぁ、TVでは見てましたけど。」
K「ひどい事件ですよね。あの事件で中東情勢が混沌としてまして、原油の価格があがっていくのではないかという見通しがありまして。」
A「すぐにあがるんですか?」
K「えぇ。これから投資をしていただいたとして、原油の価格が2倍にがれば、Aさんのも資産も2倍に上がるという仕組みです。」
A「まじっすか?!」
K「えぇ、実際10年前の湾岸戦争の時も倍に膨れ上がってまして、今度の戦争であがるのは目に見えてます。」
A「でもほんとに損はしないんでしょうか?(かなり乗り気)」
K「大丈夫です。間違いないですから!私を信じてついて来てください!!」
こうして先物取引を無謀にも始めてしまったA君。
いったいどうなることやら。。。
.....to be continued.....
August 22, 2003 05:53 PM | 関連記事